事業報告

宮城県角田市陸上競技場・総合体育館 2011年10月10日(月・祝)開催

 宮城県で初の開催となる「ウォームアップ・ジャパンin 東北」は、宮城県角田市で体育の日に開催されている「スポーツフェスティバルinかくだ」のメインプログラムとして実施し、「日本代表選手(ラグビー)と遊ぼう!」をテーマに近隣の津波被災地域も含め、239名の小中学生が参加しました。神戸製鋼ラグビー部で日本一を経験、元日本代表の元木由記雄氏、武藤規夫氏、今村順一氏のSCIX (特定非営利活動法人スポーツコミュニティ・アンド・インテリジェンス機構)コーチの指導で、ラグビーボールを使ったボールゲームを体験しました。

 参加者のほとんどの子供たちが、初めてラグビーボールに触れましたが、ゲームでは実際のラグビーボールより二回りほど小さい、小学生用のボールが使われたこともあって、すぐにボールを落とさず走れるようになり「パスもキャッチも飲み込みが早い。びっくりしました!?」(元木コーチ)と指導者を驚かせていました。

 ゲームは「ボール取りゲーム」や「ボール運びリレー」「ダルマさんが転んだ」など普段子供たちがやっている遊びを使って、ラグビーボールに親しんでもらおうと考案されたもの。ゲームごとに学年も男女もばらばらでチームを組み、競争しあったことあり、運動会さながらの白熱した展開となり、給水タイムを何度も入れなければならないほどの熱気に包まれました。

 また、中学生でラグビースクールに通っている子供たちには、U20日本代表前ヘッドコーチでもある元木コーチが、体幹の鍛え方やパスやハンドリングの基本技術を指導し、代表選手と同じレベルの指導が受けられるとあって、全員真剣な眼差しできつい練習に取り組んでいました。
 今回のプログラムでは、ラグビーボールに親しんでもらうと同時に、チームを組んでゲームをしながら、みんなで作戦を練ったり、アドバイスをしあったりすることで、チーム競技の楽しさや魅力に少しでも触れてもらえればと考えていましたが、そんな思惑以上に、子供たちのほうが遊び上手で、体を使って楽しむことを知っていると改めて感じた一日でした。

 元木由紀雄コーチは、「今回は津波被災地の子供たちも参加すると聞いていたので、どう接したらいいのか、現地に入るまで悩みましたが、顔を合わせたらみんな元気で、そんな心配など危惧だったことがわかり、安心しました。どんなスポーツでも、楽しむことも大事だし、競争しあうことも大事だと思います。今日はチーム戦で、自分たちで順番を決めたり、作戦を練ったり、自分たちでどうするかを考えながらやってもらいましたが、そうした中からみんなで助け合ったり、意見を出し合ったり、チームプレーを学んでくれたら嬉しいですね。」と話していました。

 今村順一コーチは、「最初は何人集まるのか始まってみないと分からないということと、集まってみたら低学年の子供も多いので、どんなメニューを組んだらいいか、正直戸惑いましたが、始まってみたらみんな積極的なので安心しました。指導中はどうしても関西弁になるので、言いたいことが伝わってないのかなと心配になったのですが、途中で関係者の方から「みんなテレビでお笑い番組を見ているので、関西弁は分かっているというか、関西弁は好き」とお聞きし、安心しました(笑)。最後の"ダルマさん転んだ"は、はい終わり、と言っても、もう一回、もう一回という声が上がり、結局、終了時間をだいぶオーバーすることになってしまいました。中には午後もやろうよ!と言ってくる子もいました。これだけ元気があれば、この中からきっと将来活躍するアスリートも生まれるのではないでしょうか。」と話していました。