事業報告

ウォームアップ・ジャパン from Tokyo「いわて大運動会−ウィンタースポーツ編−」

プロジェクト
ウォームアップ・ジャパン from Tokyo
イベント名称
「いわて大運動会−ウィンタースポーツ編−」
開催日
安比高原スキー場 2012年1月14日(土)~15(日)

 ウォームアップ・ジャパン from Tokyo「いわて大運動会―ウィンタースポーツ編―」が、安比高原スキー場にて、2012年1月14日(土)~15(日)の二日間開催されました。
 二日間に渡って、アスリート・トークセッションやスキー教室などが開催され、岩手県内で被災された親子約100人が参加しました。

 初日は開講式とアスリートの講話、歩くスキー教室、アスリート・トークセッションを実施しました。
 雪の影響で参加者の到着が1時間ほど遅れるハプニングがありましたが、参加者はご家族で参加しているため、全体的に非常にアットホームな雰囲気での開催になりました。スポーツ祭東京2013(東京国体)のマスコット、「ゆりーと」もかけつけ、子供に大好評でした。

 アスリートは今井博幸さん(クロスカントリー)、畑中みゆきさん(モーグル)、三ケ田礼一さん(ノルディック複合)に参加いただき「雪の楽しさを知って欲しい。みんなで楽しみましょう」と挨拶をしていただきました。

 トークセッションでは、今井さんがオリンピックで入賞した経験から「体格で劣る分、技術的なところや回転数で勝負した。工夫すること、努力することは大切」と努力すること、チャレンジすることの大切さをお話しいただき、子どもは真剣に聞き入っていました。またオリンピックでの裏話、面白い話などをすると、会場はおおいに盛り上がりました。

 畑中さんは、「自分はハンドボールをやった後にスキーに転向した。みなさんは色々な可能性に満ち溢れているので様々なスポーツに挑戦して欲しい」と話し、ハンドボール出身ということに参加者は驚いていました。また冬季競技の練習環境の向上についてもお話しされていました。

 三ケ田さんは、オリンピックで金メダルを獲得した時の心境を話すなど、子どもたちは興味津々でした。子ども達に向けて「みんな心には天使君と悪魔君がいる。ぜひ天使君を強く持って生活することが大切。TVゲーム以外に打ち込める好きなものをひとつ見つけて欲しい。岩手県民なので、それがスキーだったらなお嬉しい」とお話いただきました。

 各アスリートとも、非常に明るくわかりやすく、楽しく話していて、参加者はスキーの疲れがある中でも真剣に耳を傾けていました。

 二日目のスキー教室は天候が悪かったものの、予定通り開催し、参加者は短い時間の間にスキーが上達していました。  参加した子ども達からは「スキーは初めてで不安があった。最初は難しかったけど、だんだんと滑れるようになってくにつれて楽しくなってきて、もっとうまく滑りたいと思うようになった。一日目より二日目に方がうまく滑る事ができてうれしかった。またスキーをやりたい。」(小学校2年生・男子) 「親子共にスキーは初めてだったが夢中になってスキーを楽しめた。また、トップアスリートの方とのトークセッションや直接指導など普段の生活の中では得られない貴重な体験ができとても良かった。子どもには、ただ家でゲームをするより、外にでて少しでも多く色々な経験をさせてあげたいと思った。」(30代男性) などの声があり、貴重な時間を過ごせた様子がうかがえました。

指導にあたったアスリートのコメント:

今井 博幸さん(NTT-ME/ソルトレイクシティオリンピック クロスカントリー入賞)
 スキーを通じて参加者全員に楽しんでもらいたい、様々な環境、状況の子どもがいる中で、少しでも元気になってもらいたいと思って参加しました。
 参加者のほとんどが初心者だと思うので、何でもチャレンジするというチャレンジ精神を伝えたいと思いました。
 参加者はみんな慣れない中、しっかりと取り組んでいたし、今何をしているか理解して参加出来ていました。自分から積極的にチャレンジする姿が見られてとてもうれしかったです。
 子どもたちには、これから生きていく中で、色々なことがあると思いますが、与えられた環境の中で「チャレンジ」という気持ちを忘れずに乗り越えてほしいです。

畑中みゆきさん(畑中みゆきスキースクール/ソルトレイクシティ・トリノオリンピックフリースタイルモーグル日本代表)
 自分も地元・塩釜が被災し、ずっとボランティア活動を続けてきました。2011年10月あたりまでは他種目のスポーツイベントを行ってきましたが、今後はウィンタースポーツイベントを今回を皮切りにやっていきたいです。
 スキー教室では、スキーそれ自体というよりも山の、雪の楽しさを感じてもらいたいと思います。
  終わってみて、子ども達の吸収の早さには本当に驚きました。子ども達は、素直に飲み込む感性があります。
 雪を楽しむ、ということも含めて満足な内容となりました。今回の子どもの上達の早さなどをみて、やはり固執せず様々なスポーツを幼少期にさせてあげること、その環境を作ってあげることが大切だと思いました。震災復興支援ということだけでなく、例えば沿岸部と内陸部(山間部)の子どもを集め、マリンスポーツとスノースポーツを交互にするような交流会などをしてみたいです。このような活動をするには様々な団体の支援・サポートが必要で、それを得るためにも活動の良さを伝えていきたいです。

三ヶ田礼一さん(岩手県庁/アルベールビルオリンピック ノルディック複合優勝)
 トークセッションでは子ども達が眠くならないような話をしたいと思いました。
 心の中の天使くん悪魔くんの話を中心に、楽な方に逃げないこと、子どもは様々な可能性があり努力次第で大きく飛躍できるということを伝えたかったです。
 うなづいたり反応しながら聞いてくれてよかったです。わかりやすい話を心がけたつもりで、また金メダルを実際に見て喜んでいる様子が見られて良かったです。