事業報告

ウォームアップ・ジャパン from Tokyo 2011 武道フェスティバル石巻

プロジェクト
ウォームアップ・ジャパン from Tokyo
イベント名称
「ふくしま大運動会 in いわき」
開催日
いわき市立総合体育館、いわき陸上競技場 2011年11月13日(日)開催

 ウォームアップ・ジャパン from Tokyo 武道フェスティバル石巻 が2011年11月27日(日)に、石巻専修大学にて開催され、スポーツ少年団に所属する小中高生211名が参加しました。

 柔道の薪谷 翠さん(ミキハウス 世界柔道選手権 優勝)、剣道の木和田大起さん(大阪府警 世界剣道選手権 団体優勝)、空手道の 山田ゆかりさん、(大阪敬愛高等学校 世界空手道選手権 優勝)、テコンドーの岡本 依子さん(シドニーオリンピック 銅メダル)ら、アスリートが参加し、講演や指導を行いました。
 当日、外は肌寒く、冬の到来を感じさせる気候でしたが、石巻専修大学の体育館にはたくさんの小中高生が集まりました。一流のアスリートを目の前に興奮さめやまぬ中、子供たちはアスリートの言葉に真剣に耳を傾け、時には大きな声をだして、楽しんでいました。
 午後からは玉木さんによる講演会が行われ、武士道とはなにかをわかりやすく、おもしろく話してくださいました。イベントを終えた子供たちはとても充実した様子で、今回のイベントを通していろんなことを感じ、学んだようです。東北の寒さに負けないぐらい熱い一日となりました。

参加したアスリートのコメント:

山田ゆかりさん(空手道)
「震災から8カ月半が経ちましたが、今回初めて被災地を訪れ現状を見て、被災者の方々の毎日想像を超えるような大変さを感じました。子供たちには、楽しんでもらえたようで私自身も楽しかったです。今回は、小学生から高校生までの幅広い参加者だったので、参加者の一部には難しかった部分があるかもしれません。また、流派がそれぞれ異なるので組手中心の実技指導となりましたが、みんな一生懸命に取り組んでいましたので、今回のイベントから世界的有名な選手が生まれることを願います。」

木和田大起さん(剣道)
「被災地ということもあり最初は緊張していましたが、スポーツを通して時間が経つうちにうちとけていき、子供たちの声もよくでるようになり、元気もでてきて、逆に自分が元気をもらえました。時間が足りないほど楽しく指導できました。壁にぶつかったときにそれを乗り越えるための努力や忍耐力というのは、生きていく中でも必要ものであるし、みんながつらい状況である今、とても大切。ぜひ前を向いていってほしい。そしてスポーツを通じてみんなで手を取り合いながらみんなで乗り越えていってほしいと思います。」

薪谷翠さん(柔道)
「子供たちが思っていたよりも元気で驚きました。今日はみんなに元気を与えたいと思ってきたので、明るく楽しく元気よくやっていきたいと思って参加しました。みんなが元気で積極的で非常に良かったです。いつもはこういうイベントを行うと消極的で自ら率先して前に出てくる子が少ない中、今日は自ら進んで話しかけてくれる子がいてよかったです。元気を与えるつもりでやってきたのに、逆に元気をもらっちゃいましたね。宿泊先のホテルがすごいにぎやかで町を復興させようと頑張っている姿を見て、自分も頑張らなくてはと思いました。また自分にできることがあったら何でもやりたいと思います。」

岡本依子さん(テコンドー)
武道フェスティバルということで大阪から来れたことが嬉しかった。参加していた相原道場の子どもたちは非常にレベルが高く、指導していて面白かった。テコンドーの楽しさを少しでも多くの人に感じてほしい。

 玉木正之さん(スポーツジャーナリスト)は、「武士道とは何か」というテーマで講演を行い、参加者全員が真剣な表情で話を聞いていました。スポーツに関する幅広い話をしてくださり、オリンピックに認められていないスポーツにはダーツ、チェス、チェッカー、コントラクトブリッジ等があり、なぜそれらの競技が認められていないかを参加者に質問する場面もありました。また、スポーツは軍隊に役立つので導入されたという話やPKでドキドキするのは日本人の特徴であるという話などもありました。武道に関する内容では、相撲というのは素舞い、つまり昔は裸で神々の前で舞うというのが相撲のルーツであるという話や、レスリングはレスルという動物とじゃれあうという意味の単語から命名されているという興味深い内容もありました。参加者も玉木さんの話を聞き入っていて、講演が終わった際にはとても満足げな表情でした。

 参加者からは、「薪谷選手は力が強くて、トップレベルの選手だと女子でも技のキレがすごかったです。技のタイミングなどを指導していただいてうれしかったです。薪谷選手から指導していただいたことを参考にして、これからも柔道を頑張っていきたいと思いました。」(中2・男子)

 剣道を指導してもらった参加者からは、「とても強かったし対戦できてとても楽しかったです。時間の関係で基本だけしか教えてもらえなかったので、また機会があれば応用なども教えてもらいたいと思います。いつもやっていることとは違うことを教えてもらったり、いつもと違うことをやったりして楽しかったし、勉強になった。もっといろいろ教えて欲しかったので、もっと時間があればよかったと思います。」と話していました。