事業報告

スポーツフェスタ in 面瀬

プロジェクト
パワーアップ・ジャパンfrom Tokyo 平成27年度
イベント名称
スポーツフェスタ in 面瀬
開催日
2015年11月8日(日)

宮城県、面瀬中学校・面瀬小学校にて「パワーアップジャパンfrom Tokyo ~スポーツフェスタ in 面瀬~」が開催されました。講師として、卓球でバルセロナ大会からアテネ大会までオリンピック4大会連続出場を果たした松下浩二氏、ソフトテニスで全日本実業団選手権優勝の実績を持つ松口友也氏、バレーボール日本女子代表コーチとして北京オリンピックに参加した番平守氏、バスケットボール元日本代表の田中利佳氏、元プロ野球横浜ベイスターズの河野友軌氏が招かれました。地域の中学1、2年生約150人が参加しました。
開会式では、東京都オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進課スポーツ施設担当課長清水俊二郎氏、日本アスリート会議事務局長松澤淳子氏、当イベント実行委員長藤田敏秋氏の順で挨拶がされました。冒頭から中学生達は緊張の面持ちを浮かべていましたが、その後講師のアスリート達が自己紹介をすると、次第に場の雰囲気が温まっていくのが感じられました。

○ソフトテニス

生憎の雨により体育館での開催となったソフトテニスのクリニックは、現役プレイヤーである松口友也氏による指導がおこなわれました。ウォーミングアップをしたのち、サーブ、ストロークの練習の順でクリニックは進みました。サーブの練習において、松口氏から手取り足取り直接指導を受けた中学生は、フォームが改善したことにより、目に見えて球筋が変化。松口氏から褒められ、照れ笑いを浮かべる姿が印象的でした。
締めくくりのメニューは松口氏との1対1のラリーとなり、この際、松口氏が中学生たちの足元に高速サーブを見舞う場面も。最初はその速さに驚くばかりで、反応できない生徒がほとんどであったが、終盤になると「速いサーブお願いします!」とリクエストし、ラケットに当てることができた生徒も目立ち、トップアスリートの技に果敢に挑む姿が見られました。技術の向上が顕著であったのは勿論のこと、当初は控えめでおとなしかった中学生たちが、次第に積極的に発言できるようになった点においても成長を感じた2時間のクリニックでした。

○卓球

卓球では試合で使う重要な技術である、フォアハンド、バックハンド、つっつき、ドライブ、サービス、レシーブの練習をおこないました。まず松下氏の模範演技が披露され、次に注意点やコツが丁寧に説明されました。生徒達が一斉に練習を始めると、松下氏が一人一人に二人羽織で正しいフォームを教える姿が印象的でした。最初は緊張していた生徒達でしたが、次第に笑顔が見え始め、楽しそうにペアで打ち合う姿が多く見られました。終盤には松下氏が回転のかかる打球を披露しました。バックスピンによって球が自分の方へ戻ってきた時には生徒達が皆どよめき、アスリートの凄さを実感していました。実際に生徒達がやってみると上手くいかず、何度も挑戦して頑張っていました。
最後に松下氏から、「日々目標を持って努力すること」「努力したものは必ずどこかで花が咲くからできないと決めつけずに必ずやってみること」そして、「卓球だけでなく学校の勉強、友達関係など普段の学校生活も大切にすることが卓球の成長に繋がるから、それぞれ目標をもって一生懸命頑張ってほしい。」とお言葉を頂き、午前のクリニックは終了しました。松下氏のご指導により、生徒達の大きな成長が感じられとても有意義な時間となりました。

○バスケットボール

バスケットボールのクリニックには、志津川中学校の男子部員と面瀬中学校の女子部員が参加し、元日本代表・田中利佳氏の指導を受けました。クリニックは、2人1組でのウォーミングアップからスタート。ボールを用いるものから、用いないものまで時間を掛けて入念におこなわれ、初めて経験するウォーミングアップ方法の新鮮さに、中学生達には早くも笑顔が広がりました。
その後、パスやドリブル、シュートの指導がされました。現役時代、プロ選手の中では比較的身長が低かった田中氏は、ボールを受けてからシュートを打つまでの時間を早めることを意識していたといい、準備姿勢や動作の大切さを伝えました。最後には、田中氏を交え、5分制の試合を男女交互に実施しました。田中氏が見せるスーパープレーに驚嘆の声をあげつつも、指導された内容を早速実践に移している生徒が多く、指導の効果を実感している様子が垣間見えました。クーリングダウンをしたのち、「選手として成長するためには、自分の中で誰かライバルを作り、その人を目標にして練習することが重要」というメッセージが送られました。

○バレーボール

バレーボールは番平氏の熱血指導が印象的なクリニックとなりました。番平氏は冒頭に「1つ1つの練習がプレーにつながることを意識し、何を目的として練習するのかを考えて取り組むこと」「状況を判断し次のプレーに必要な準備を早くすること」の2つを注意点としてあげ、ウォーミングアップに入りました。そして参加者たちが何も考えずにキャッチボールをしている様子でいると、番平氏が即座に集合をかけました。
なぜ集合をかけたのか、この練習でどのような意識が大切なのか、お手本や失敗例も見せながら熱くかつ丁寧な説明がされました。さらにその後、レシーブ練習になると番平氏自ら球出しを行い「セッターを動かすな!」「リズム!リズム!」と大きな声が響き渡りました。すると参加者たちも最初はユニフォームの上にジャージを着て寒そうにしていたが、次第にユニフォーム姿となっていき番平氏に負けず劣らずの熱い姿勢が見受けられました。最後には番平氏が「プレーの結果や成果は後からついてくるもの。大事なのはそれをやりきるために何を普段から心がけるか。生活習慣を含めて意識してみてほしい」と述べ、クリニックは終了しました。

○野球

屋外でおこなわれる予定だった野球は雨天により体育館での実施となりました。屋内でできる練習は限られていたが、その分ストレッチ、投げる、打つ、守ることに対して丁寧な指導がされました。特にキャッチボールでは重心移動を意識した方法や、余計な力を抜いて投げる方法など工夫を凝らした指導が展開されました。素振りについても前後、中央と様々なところに重心を置いたスイングをすることで、自分に合った振り方を見つけるよう河野氏がアドバイスしました。すると参加者たちは様々なスイングで試行錯誤を繰り返し、悩みながらも同時に楽しみながら取り組んでいる姿が印象的でした。 クリニックの終盤には参加者から質問する機会も設けられ、河野氏からの的確な回答に参加者たちは目を輝かせながら聞いている様子でした。最後に河野氏から「1つの練習にこだわらないで幅を広げることが大切」というコメントが送られ、クリニックは終了しました。

閉会式

閉会式では参加した生徒から、「アスリートの方の本物の技を見て感激しました。今日指導して頂いたことを明日からの部活動に生かしていきます。」と感謝の言葉が述べられました。松下氏は「このイベントをきっかけに皆さんが成長してくれることを願っています。目標と夢をしっかり持って頑張ってください。」とエールを送りました。


アスリートコメント

松口友也(ソフトテニス:平成25年全日本実業団選手権大会優勝)
だんだんとわからないことはわからないと言ってくれる子も増えてきたので、こちらとしても次のアドバイスを与えることができました。コートは最大の自己表現の場だと僕は思っているので、もっとうまくなりたいという思いを持ってアピールすることを大切にしてほしいです。

松下浩二(卓球:バルセロナ・アトランタ・シドニー・アテネ五輪4大会連続出場)
子どもたちと接することにより子どもたちの「知りたい」という純粋な姿勢に驚かされました。私も田舎出身ですが「田舎だから」という気持ちではなく小さいころから「自分が田舎からチャンピオンになるんだ!」というような目標をもってこれからも頑張ってもらいたいと思います。

田中利佳(バスケットボール:元バスケットボール日本代表)
子どもたちと接することにより子どもたちの「知りたい」という純粋な姿勢に驚かされました。私も田舎出身ですが「田舎だから」という気持ちではなく小さいころから「自分が田舎からチャンピオンになるんだ!」というような目標をもってこれからも頑張ってもらいたいと思います。

番平守(バレボール:元バレーボール日本女子代表コーチ)
皆さんの時期で間違えることは当たり前。むしろ失敗や間違いを恥ずかしいと思って黙っているというのが一番良くないことです。練習をしていても自分の意見や考えをもって先生からの指導を仰ぐことで必ず上達することが出来ると思います。

河野友軌(野球:元プロ野球選手 横浜ベイスターズ )
本当に気仙沼に来たかったので、こうやって触れ合う中で子どもたちの笑顔だったり率直な意見を聞けるのは本当に良いものですね。本当に苦しい思いをしていると思うので僕らが軽々しくは言えないですけども、頑張っている姿とかそういうのを見れたのが良かったです。スポーツをする上で、そのプロセスだったり考え方だったりというのはいろんなところに生かしていくことができる。それをちょっとでも伝えられたらいいなと思って指導しました。

参加者コメント

中学2年 男子
二人羽織(卓球)をやってもらってすごく分かりやすかった。

中学2年 女子
とても楽しかった。そして、すごく指導が分かりやすかった。

中学2年 男子
競技レベルのすごく高い方と接することができる、大変貴重な機会でした。今日は基本的なところを重点的に教えていただきました。今後も今日教わったことを大切にしたいです。