事業報告

ウォームアップジャパン from Tokyo 「亘理・山元町中学校部活動交流大会」

プロジェクト
ウォームアップジャパン from Tokyo
イベント名称
「亘理・山元町中学校部活動交流大会」
開催日
仙台大学 2012年2月18日(土)

 ウォームアップジャパン from Tokyo 「亘理・山元町中学校部活動交流大会」が、仙台大学にて開催されました。真冬の冷たい風が吹く中、それぞれ中学校でバスケットボール、バレーボール、卓球、柔道、サッカーなどの部活動に所属している中学生約250人と、永富 有紀さん(バレーボール)、佐古 賢一さん(バスケットボール)、天日 謙作さん(バスケットボール)、日下部 基栄さん(柔道)、松下 浩二さん(卓球)、米山 篤志さん(サッカー)などのアスリートが参加し、開会式の後、競技ごとに各会場に分かれてプログラムを行いました。
 午前中は、アスリートの指導のもと、練習をおこない、中学生たちは、アスリートたちの話を真剣に聞き、元気な声を出して練習に臨んでいました。
 お昼休みをはさみ、午後は会場ごとに中学校対抗や中学校混合など様々な形で交流試合を行いました。
試合の様子をアスリートは真剣なまなざしで見守り、時にはアドバイスをする場面も。中学生は試合の合間にも練習をしたり、アスリートが指導する場面も見られました。
 プログラムの終わりでは、アスリートによる話や質疑応答の時間がありました。最初は恥ずかしがっていたようでしたが、一人が勇気を出して質問をすると、競技の技術的な質問から、「身長を伸ばすにはどうしたらよいですか?」といった内容まで、さまざまな質問が飛び出しました。
 最初は寒さやいつもと違う環境に緊張していた中学生たちも、プログラムが進み、アスリートと触れ合ううちに笑顔が見られるようになり、どの会場も終始真剣ながらも和やかなムードとなりました。

参加したアスリートのコメント:

永富 有紀さん(バレーボール/アトランタ五輪代表)
「被災地の人々は、「頑張れ!」と言われ続けているが、もう十分に頑張っていると思うし、これ以上頑張れという声をかけることはできませんでした。だから誰にでも平等であるスポーツを通じて楽しくすごしてほしいと思って参加しました。
 おとなしい子が多いな、とは思ったんですが、みんな一生懸命やってくれたと思います。みんな真剣に話を聞いてくれたのは良かったと思います。」

佐古 賢一さん(バスケットボール、元日本代表)
「バスケットの楽しさを伝えたいと思い、また、チーム以外での練習を経験する機会はあまりないと思うので、よい機会になればと思って参加しました。「上手くなる」だけではなく「触れあう」ということが大切だということも伝えたいと思ってました。
実際に指導をしたり、中学生からの質問に答えたりといったことで「触れあう」ことは達成できたと思います。中学生たちは真剣で、アドバイスしたかいがありました。このような環境があるというのは良いことだと思います。」

松下 浩二さん(卓球/日本初のプロ卓球選手 オリンピック4大会連続出場)
「被災地に卓球を通じて笑顔を届けたいという思いで参加しました。スポーツにはそんな力があると思います。中学生たちは楽しんで(プログラムを)やっているように感じました。「毎日自己新記録を出し続ける」という話をしたときは、みんな真剣に話を聞いてくれてうれしく思いました。」

日下部 基栄さん(柔道/シドニー五輪銅メダリスト)
「参加した中学生は、言葉にできないような大変なこと(災難)を経験していて、自分自身もどう声をかければいいかわからなかったのですが、今まで自分がやってきた柔道で(彼らを)元気づけられれば良いなと思って参加しました。
(中学生たちは)楽しく、目を輝かせながら練習をし、話を聞いてくれました。みんな一生懸命で、短い時間ながら教えられることはすべて教えたいという気持ちになりました。柔道家はみんな、柔道というものでつながった友達なんだと感じることができました。」

米山篤志さん(サッカー/元Jリーガー)
「サッカーを部活動でやっている子供たちにサッカーを教えたいという気持ちで参加しました。また、なじみのない土地であったため、子供たちとの交流を楽しみにしてきました。スポーツにはうまくなる「コツ」があると思うのでそれを少しでも学んでくれればと思います。短時間だったので言ったことを100%理解してくれているかは、わからなかったのですが、(イベント開始前と比べて)変化はあったと思います。これを刺激に頑張ってくれるといいなと思います。」

参加した中学生のコメント:
「普段と違うことができたのが良かった。(アスリートは)一人ひとり丁寧に見てくれていた。(震災が被害もあったかと思うがという問いに対して)部活で卓球に打ち込むことでつらいことを忘れることができるという面もあった。またさらに一生懸命頑張ろうと思った。」(卓球/中2男子)

「すごい人に教えてもらったのでやる気が出た。アスリートと触れ合うこともできたし、新しい練習を通じて新しいことを教えてもらったのでとても充実した日になった。」(バスケットボール/中2女子)

「自分の技術のレベルアップのために参加した。実際に教えてもらえてレベルアップできたと思う。
(アスリートが)練習でしてくれた工夫のおかげで楽しかった。普段の部活より楽しかった。」(サッカー/中1男子)