事業報告

いわて大運動会 in 気仙

プロジェクト
令和元年度 パワーアップ・ジャパン from Tokyo
イベント名称
いわて大運動会in気仙
開催日
2019年8月1日(木)

本事業は昨年に引き続き、柳本晶一氏(バレーボール)、渡邉晶子氏(ソフトテニス)、坂本竜介氏(卓球)の3名のほか、新たに中村友也氏 (バスケットボール)を講師に迎え、中学生を対象に大運動会を実施しました。事前に参加者から希望指導内容をヒアリングしており、講師の方々はニーズに応えたクリニックを実施しました。当日は午後からの開催で気温の高い中での実施になりましたが、参加者の生徒ともに引率された先生方もアスリートの指導に耳を傾け、練習や試合に臨んでいました。

○バレーボール

「セッター中心とした攻撃をメインで教えてほしい」という参加者の指導要望から、攻撃となるスパイクを意識したウォーミングアップからクリニックが始まりました。真上にトスをして1回バウンドして上がったボールをスパイクする練習や、セッターを固定した練習などを行いました。ポイントとして、手を振りぬく意識で打つこと、コートラインを上手く利用し、狙ったところに打ち込むことなどを意識しました。また攻撃には味方との連携が重要であることを説明し、味方が取りやすいように、レシーブやトスがいつも同じ高さに上げられるよう3mの高さを意識させて練習を行いました。

○バスケットボール

バスケットボールのクリニック前半では、3対2や2対1などの対人練習が中心に行われ、シチュエーション別に実演を交えながら中村氏による指導が行われました。中村氏は、「バスケットボールで一番大事なことはコミュニケーション」とクリニックを通して常に参加者たちに伝えました。参加者たちの大きな声で仲間を鼓舞する姿やボールを要求する声が目立ちました。後半のクリニックでは参加した中学校対抗で交流戦が行われ、前半のクリニックで教わったディフェンスからの速攻攻撃のパターンを実践する姿も見受けられました。クリニックの最後には中村氏への質問コーナーが設けられ、練習中の真剣な表情からは一変、和やかな雰囲気でバスケットボールのクリニックは幕を閉じました。

○ソフトテニス

ソフトテニスのクリニックでは、ウォーミングアップから始まり、前半には1ゲームマッチでの交流試合が行われました。交流試合終了後、渡邊氏が参加者に対して交流試合で感じた自分の課題について尋ねた際には、真剣に考え、自分の意見を積極的に伝えようとする参加者の姿が多く見られました。午後には、フットワークを意識したストローク練習が行われました。渡邊氏は、しっかりと止まって打つことの重要性について実演を交えながら説明し、「つまさきで地面を掴むイメージで」という具体的なアドバイスを伝えて回るなど、丁寧な指導が行われていました。クリニックの最後には、「日頃から試合を意識した練習を続けることが大事」という言葉を送り、天候に恵まれ絶好のテニス日和となりました。

○卓球

卓球のクリニックでは、基本であるフォアハンド、バックハンド、ツッツキなどの練習が中心に行われました。「ただ何となくラリーを繰り返すのではなくて、何回ラリーを続けるかといった目標をしっかり設定して取り組めるかどうかが重要」という言葉に刺激を受けた参加者たちは大きな声でラリーの回数を数え、何度も新記録に挑戦をしていました。また、坂本氏は「どんなに派手なプレーよりも地味な基本練習を続けることが何より上達への近道である」とクリニックを通して常に参加者へ伝え、この日は実戦形式の練習は行わず基本練習を繰り返し行いました。実演を織り交ぜながらの指導では、参加者たちが真剣な面持ちで傾聴している姿が非常に印象的でした。


アスリートコメント

柳本晶一(バレーボール)

Q本日の感想を教えてください
A陸前高田は昨年に引き続き参加させてもらっていて、今年もすごく楽しみにされていたことが伝わってきました。ここの地域はバレーボールが強い地域なので、レベルの高いクリニックになったのではないかなと思います。継続することが大きな力になるということがこれまでの活動を通して実感しているので、継続して取り組んで欲しいです。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A陸前高田のスポーツ環境も大きな流れとして動き出してきたと思います。昨年の参加者が今年は後輩を連れてきて参加してくれたり、こうやって地域にどんどん広がって伝わっていくことが大事だと思うので、この機会を無駄にせず次に活かしていく力を私たちだけでなく、参加者や地域と連携していきたいです。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
Aちょうど新体制になる時期で1、2年生の若いチームで参加している学校がほとんどだったと思います。基礎的な内容を指導しましたが、この機会に得たものをしっかりと自分たちに落とし込んでこれからに繋げていっていって欲しいです。

中村友也(バスケットボール)

Q本日の感想を教えてください
A本事業へは初参加でしたが、子供達の笑顔、希望に満ち溢れた目、一生懸命に頑張る姿、エネルギー、最高でした。スポーツを楽しむって子供達に伝えましたが自分が1番楽しんでしまいました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A東日本大震災から8年が経ちました。私自身、阪神・淡路大震災を経験しています。忘れさられる事が1番嫌だし怖い事だと思います。しっかりと伝えていく、忘れてはいけない。その為にも、活動を続けて行くこと、継続することが大事だと感じました。スポーツを通じて日本を元気にしていく。これからも活動に参加していきたいと思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
Aこの度はバスケットボールの指導者を務めることができた事に感謝致します。子供達の笑顔が溢れてました。1日も早い復興を心からお祈り申し上げます。お役にたてることがあれば、それに懸命に取り組んでいくことが私たちの務めだと思っています。

渡邉晶子(ソフトテニス)

Q本日の感想を教えてください
A昨年に続き2回目の参加となりますが、昨年の経験があったので、今回の参加を楽しみにしていました。昨年参加していた生徒さんもたくさん参加してくださっていて、子どもたちの成長も見ることができ本当に嬉しい時間でした。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A今回は、実際に被災地を見る機会もあったので、より被災を感じることができました。最近はメディアでもなかなか報道されないので、そういった経験を他のところでも伝えながら、そして自分で直接被災地の方々のもとに足を運んで触れ合う機会も増やしていけたらなと思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A今の時期は梅雨明けで暑い日が続くと思うんですが、心と身体に元気があれば何事にも向かっていったり、チャレンジしていったりできると思うので、お互いに健康第一でやっていけたらなと思います。

坂本竜介(卓球)

Q本日の感想を教えてください
A毎年この辺りの地域は訪れているので、先生も顔馴染みになってきていたりしていて、少しずつ教える技術も変えていきながら今回も指導できたかと思います。みんな元気で卓球のやる気がある子が多いので、そういう意味では教える側としても楽しくできました。こういったイベントをきっかけに自分たち自身でレベルアップのヒントを見つけて頑張っていってほしいです。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
Aスポーツというのは言葉を介さなくても人々が繋がれたり、人々を笑顔にできるものだと思っているので、そういった意味で自分には卓球という武器があるので、卓球というツールを使って多くの人々を笑顔にしていって最終的に復興につながればいいなと考えています。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A自分は卓球を指導する立場なので、もちろん卓球もそうですけどやっぱり人間としての成長というものを中学生たちにはしっかり頭に入れておいてほしいです。感謝の気持ちを忘れずにやっていけば人間としての成長ができると思うので、この現状を当たり前として捉えずに感謝という気持ちに変えてもらって普段の練習、そして生活に取り組んでもらいたいと思います。

参加者コメント

中学3年 男子 バレーボール参加
東北大会に出場することが決まったので、更なるレベルアップを目指して参加しました。まだ基礎的な部分とかが出来ていないところが見つかったので、これからの課題として取り組んでいきたいと思いました。攻撃と守備の切り替えをもっと素早くできるようになれば良くなると思います。

中学1年 女子 バレーボール参加
講師の教え方が分かりやすく、他のチームと一緒に練習が出来て良かったです。学年やチームが違くても声を出してコミュニケーションを取れば上手に出来るとアドバイスを受けて、私もこれからすぐ実践できると思いました。今日教えてもらったことを自分で考えてコートにいてもベンチにいても活かしていきたいと思います。

中学2年 女子 バレーボール参加
テレビで全日本の選手のプレーを見ていて、技術が高いことはもちろん、トスが上がるタイミングなどをすべて頭の中にインプットしているところがすごいと感じたので、そのプレーを教えていた元全日本監督から、そういった所を吸収できたらと思って取り組みました。すぐにはできないけど、積み重ねていくと出来るようになってくると思うし、今日が大事じゃなくて明日が大事ということを教わったので、明日からちゃんと練習していきたいです。

中学2年 女子 バレーボール参加
チームが新体制になったばかりで練習方法とかが分からなかったので参加しました。自分が分からなかったことや、チームとして分からなかったことが分かったと思います。私は動きが遅れがちなので、こうすれば動きが良くなるよとかアドバイスを受けたので勉強になりました。個人、チームともに技術面がまだまだだと思うのでこれから磨いていきたいです。

中学2年 男子 バスケットボール参加
普段では体験できないので参加して良かったです。速攻のプレーを学んだので、部活や試合で使えるようにしたいです。チームの中では足の速い方なので練習して上手くなりたいです。

中学1年 女子 バスケットボール参加
初めての交流試合だったのですが、みんなで協力してできたので良かったです。他のチームと交流してみてすごい上手だなと思いました。私たちももっと練習しなきゃなと感じました。仲間と繋いで点を取っていきたいですし、新人戦も近いので、日々の練習をしっかりしていきたいです。

中学2年 女子 バスケットボール参加
交流試合をしていい経験ができたと思います。この経験を次の試合とかで活かしていきたいと思います。速攻のプレーを教えて頂いたのでこれから練習していきたいです。

中学2年 男子 ソフトテニス参加
自分の課題などを改めて知れたし、いつもとは違う練習ができて、真面目に取り組めたと思います。

中学2年 男子 ソフトテニス参加
普段学校ではできないような練習ができたし、今まではただ1本打ちのようなかんじだったけど今日はサイドステップしてらの1本打ちをしたりとかができたので良かったです。

中学1年 女子 ソフトテニス参加
今日の練習では、ストロークの時に腰を下げてコースを決めて打つことができたので、これからの練習に活かしていきたいです。

中学2年 女子 ソフトテニス参加
今日の練習でやった通り、しっかり止まって打つことができていなかったので、そこを意識してできたのでとても良かったです。

中学2年 男子 卓球参加
自分は卓球部に所属しているんですけど、あまりこれまで他校の人と試合以外で交流する機会が少なくて、いろんな人の特徴を吸収できた事が良かったのかなと思います。あとは坂本さんのやる気を引き出す指導法はすごいなと思ったし、卓球でどんな事が大切かを教えていただけたので自分自身の課題と照らし合わせながら日々の練習に取り組んでいきたいと思います。

中学2年 男子 卓球参加
いつもはあまり専門的な技術などは教えてもらっていなかったので、坂本さんが来てくれたおかげでいろんなことを学べたしどのような練習を今後していけばいいかわかったので良かったです。今日の練習で狙ったところに打つことの大切さに気付かされたのでこれからはそこを意識して部活で頑張りたいです。

中学2年 女子 卓球参加
今日は普段やっていることの基礎がすごく学べて、これまで間違ったことをやってきていたんだなということに気づいたのでこれから直していこうと思いました。あと坂本さんは実演しながら丁寧に教えてくれたのですごくわかりやすかったし、私の苦手な手首の使い方とか力の入れ方も教えてもらえたのでそれも直して聞きたいです。