事業報告

2019ビーチフェスタ in 相馬

プロジェクト
令和元年度 パワーアップ・ジャパンfrom Tokyo
イベント名称
2019ビーチフェスタ in 相馬
開催日
2019年7月28日(日)

台風接近に伴い天候が心配されましたが、当日は30℃を超える青空の下で事業を開催することができました。森岡大海氏(ビーチバレーボール)、石河剛氏(ビーチテニス)、中山真宏氏(ビーチテニス)、阿部正樹氏(スラックライン)、菅原正志氏(スラックライン)、加藤英樹氏(SUP)を講師に迎え、2019ビーチフェスタ in相馬を実施しました。開会式では相馬市長の激励の挨拶から始まり、その後、参加者全員でビーチクリーンを行った後、競技ごとの講習会、試合および体験を行いました。

○ビーチバレーボール

午前中のクリニックでは、ウォーミングアップを行なった後、男女に分かれてアンダーパス、オーバーハンドパス限定でゲームを行いました。「まずは楽しんで頂くということ、そしてチームスポーツには何が重要なのかを伝えたい」と森岡氏からは、しきりに「パスは思いやりが大事」とアドバイスがあり、参加者は丁寧にパスを出すことを心がけていました。その後、スパイク練習やサーブ練習を行い、最後にはサーブでのストラックアウトを実施。とても活気にあふれたクリニックとなりました。午後は各チームに分かれてゲームを行いました。午前中に森岡氏から教わったことを生かしてゲームに臨み、慣れない砂浜に悪戦苦闘しながらも笑顔で一生懸命試合に取り組んでいました。

○ビーチテニス

ビーチテニスは、「ビーチバレー」と「テニス」の特性を併せ持つ新しいスポーツで、ボールをバウンドさせずに空中でラリーをしながらポイントを取り合います。こうした競技特性を説明しつつ、石河氏と中山氏の指導のもと体験会は行われました。パドル(ラケット)の持ち方指導から始まり、徐々に実戦形式の練習に進んでいく中で参加者たちも技術の上達を実感している様子が見受けられました。体験会の最後には参加者全員が試合を通じてビーチテニスの面白さ、魅力を実感している姿が非常に印象的でした。

○スラックライン

近年、運動不足が懸念されている中、幼児からご年配の方まで年齢問わず楽しく体幹を鍛えられるスラックラインの人気が出ています。今回の参加者はほとんどが初心者で、最初は苦戦している姿が目立ちました。講師の方々から「下を見ないこと」、「頭を動かさないことでバランスを保って」など、実演を交えながらのアドバイスを受け、試行錯誤を繰り返す中で、ゴールまで渡りきれた参加者もいらっしゃいました。ビーチに遊びに来ていた家族連れの方など、飛び入りでスラックラインを体験する方も多く、多世代が一緒に楽しむことのできるスポーツとして普及にも効果があったのではないかと考えています。

○SUP(スタンドアップパドルサーフィン)

SUPの魅力や楽しさを東北に伝えているNorth Shore SUP CLUBの講師陣によるSUPの体験会が実施されました。当日の朝は台風の影響が心配されましたが、実施時には波も穏やかになり、強い日差しが降り注ぐ、SUPをするには絶好の天候となりました。まずは、海に入らず、基本的なパドル操作を中心に練習を行いました。その後ボードに座って海に出発。最初は座りながら漕ぎ進めましたが、参加者は途中バランスを崩しながらも恐る恐るボードの上に立ち、立ち上がった瞬間には歓声をあげて、心地よい海風を浴びながら楽しい雰囲気でSUPを楽しんでいました。


アスリートコメント

森岡大海(ビーチバレーボール)

Q本日の感想を教えてください。
A一昨年も講師として参加させて頂きましたが、前回同様多くの方々と触れ合うことができて楽しかったです。ビーチバレーの技術という部分も前回に比べ格段に向上しているように感じました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください。
A あのとき被災した場所が、もう安心して遊べる場所になっているということをスポーツを通じてPRし続けて行けたらと思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします。
A私たち講師はいつも元気を与えに行くつもりが、逆に皆様に元気を与えられています。これからも皆様のパワーを集結させ復興を共に続けていきましょう。

石河剛(ビーチテニス)

Q本日の感想を教えてください。
Aビーチテニスはまだまだ知名度の低いスポーツですが、運動経験、テニス経験のない人でも楽しめるスポーツなので「ハードルが低い」ということを、いかに体験を通して理解してもらえるかを大事にしました。体験会の最後には参加者全員が試合を楽しむことができたことは、一つの成果と思っています。また、大学生が主体的にイベント運営に関わっている姿勢と、運営側が楽しんでいる様子がイベントの雰囲気を良いものにしていると感じました。ぜひ今後の継続と、開催ごとに得られるノウハウを引き継いで欲しいと思います。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください。
A自身が福島県出身ということもあり、今回のようなイベントに関わることができて嬉しく思います。実は被災地にゆかりがある人で、声をかけることさえできたら運営を手伝ってくれる人たちというのは全国各地に多くいるはず…と個人的にも感じています。参加者に対する告知も重要ですが、運営者を集めるための告知にも力をいれることができれば継続した活動につながると思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします。
A「被災地」という良くも悪くもレッテルを貼られてしまう地域となってしまいましたが、全てをプラスの方向に向けていくエネルギーとできることを祈っております。ささやかではありますが今後も協力の機会があればよろしくお願いします。

中山真宏(ビーチテニス)

Q本日の感想を教えてください。
A福島大学の先生、学生の皆さんはじめ、東京都、関係機関の方々が一丸となって、被災地の中学生、地域の方々に楽しんで貰おうとしている気持ちが伝わってきました。とても素晴らしい企画だと感じました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください。
A今後も被災地を応援できるイベント等、機会があれば積極的に参加し、被災地の復興に貢献したいと考えています。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします。
A多くの方々と一緒にビーチスポーツを楽しむことができ、私自身も良い経験になりました。中学生の上達の早さには驚かされました。復興までは、まだ時間のかかる地域もあると思いますが、1日でも早く、震災前以上の素晴らしい福島になるよう願っています。頑張っている皆さんを全力で応援しています。

菅原正志(スラックライン)

Q本日の感想を教えてください。
Aスラックラインをビーチで開催するのは3年ぶりなんですよ。当時よりも人は来てるし、イベント的にも盛り上がってるなという印象を受けています。そういう意味では非常に楽しくやらせてもらっています。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください。
A「被災地だから」という考え方はしておりません。あくまで我々はスラックラインそのものを使って健康になるとか、目標を持てるとか、そういった方向にできればいいなと思っています。なので被災地であろうとなかろうとその考えは全く変わりません。初めてスラックラインをやった人の8割くらいはハマるので、引き続き普及させていけたらなと思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします。
Aここまでよく復興してきましたね。たまたま私の前職が相馬市にある会社だったのでどれだけ大変だったのかわかるんですよね。実際復興するにあたってここの方たちの頑張りもあるし、いろんな方たちの協力があってここまできてるんだなってすごく感じるので、そういったことは忘れないでほしいです。また、こういった活動が支援の一部になるのであれば非常に嬉しいことですね。

白土博子(SUP)

Q本日の感想を教えてください。
A昨年に引き続きSUPで海の楽しさをみなさんに体験していただきたいという趣旨のもとイベントに参加させていただいていますが、昨年もそうでしたけれどSUPをみなさんが体験することによって笑顔と歓声が起きる、それが原釜の海に戻ってきているということが一番意義があるのではないかなと思いました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください。
A福島の海も、南相馬の北泉海岸も海開きしましたけど、SUPのようなSUPなどのアクテビティを通して、そういう形でみんなが繋がって海に戻ってきてくれるムーブメントになればいいなと思っています。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします。
A海の水がしょっぱいということを知らない子どもたち、9歳になる子どもたちは震災後に生まれた、そういったことを私たちは改めてしみじみ感じました。海が遊ぶところとは思わない人たちも多いと聞いたので、海が遊んで楽しいものがたくさんあるところだということを、海を知らなかった子どもたちを中心に花開いていってくれればいいなと思います。

参加者コメント

中学2年 女子 ビーチバレーボール参加
先生からビーチフェスタがあるよと教えてもらいました。昨年も参加したのでまた参加したいと思って参加しました。講習会でプロの人のプレーを見て、レシーブがとても上手くて勉強になりました。来年ももしあったら、この時期は部活動引退しているけど高校の受験勉強の息抜きをしに来たいです。

中学3年 男子 ビーチバレーボール参加
バレー部だったんですけど、イベントのチラシをもらって友達に見せて一緒にやってみようと思って参加しました。他の友達はバレー部じゃないんですけどみんな部活動を引退して夏休みでやることないので集まりました。今まであまりこういうイベントはなかったのでとても楽しかったです。またこういう機会があったら絶対に参加したいです。

中学1年 女子 ビーチバレーボール参加
昨年ビーチフェスタに参加して、今年もやろうかなと思って参加しました。講習会で学んだレシーブやトスが試合でできて嬉しかったです。砂浜だと足腰や体幹が鍛えられたので、それを室内でのバレーに活かしていきたいです。

中学2年 男子 ビーチテニス参加
テニスと違ってボールをバウンドさせたらいけないので難しかったですけどとても面白かったです。基礎から丁寧に教えてもらえたので一日だけでしたけどかなり上達できたと思います。また機会があればやってみたいです。

中学2年 男子 ビーチテニス参加
講師の方々(石河氏、中山氏)の対戦形式の練習がとてもレベルが高くてかっこよかったです。感覚的にはバドミントンと似てるけどまた違った楽しさがありました。普段でもこうしてネットや用具がある環境があればいいなと思いました。

中学2年 女子 ビーチテニス参加
バレーボールの試合に参加して負けちゃったので体験しに来ました。コツをつかむまで少し時間がかかったけど慣れたらラリーも続くようになって少しハマってしまいました。バレーボールよりも反射神経が必要だなと感じました。

会社員 30代男性 スラックライン参加
仕事で相馬の方に来ていたのでビーチに寄ったら面白そうなのやってるなと思って飛び入り参加させていただきました。最初は少しだけと思ってたんですけど私自身とても負けず嫌いなのでゴールまで渡り切りたいという思いが強すぎて子供達よりも熱中してしまいましたね。体幹が鍛えられるということで、身近な場所で手軽にできるような公園みたいな場所があればいいなと思いました。

中学2年 女子 スラックライン参加
初めてスラックラインを体験したんですけど、想像していたより何倍も難しかったです。自分のバランス感覚の無さにびっくりしました。お兄さんたちが優しく教えてくれたのでだんだんコツを掴んで遠くまで渡れるようになったことが嬉しかったです。

小学4年 女子 スラックライン参加
最初は難しかったけど、何回も挑戦したら遠くまで渡れるようになった。また練習してもっと遠くまで渡れるようになりたい。

小学3年 女子 SUP参加
お姉ちゃんがビーチバレーに参加していたのでその付き添いで来ました。SUPはスピードが出たり、漕いだりするのが楽しかったです。またこんなイベントがあったら来てみたいです。

40代 男性 SUP参加
元々スラックラインをしている方からビーチフェスタがあることを聞いて、SUPもあるからということなのでやってみたいなと思って来た。面白かったし海の景色がとても綺麗でたまに風を感じるのが気持ちよかった。震災以降なかなか海水浴ができず、夏はプールで済ませていた。子どもたちも初めての海水浴で新鮮に感じたのではないかなと思うので、来てよかったです。

高校3年 女子 SUP参加
ビーチバレーボールの応援・付き添いで来ました。楽しかったです。漕いだら漕いだ分だけ進むので単純だけれども、漕ぐのが重かったので難しかったです。一緒に乗った友達がはしゃいで揺らし過ぎで落ちそうで怖かったです。またこういったイベントがあれば参加してみたいです。