事業報告

スポーツクリニック2020 in 名取

プロジェクト
令和2年度 パワーアップ・ジャパン from Tokyo
イベント名称
スポーツクリニック2020 in 名取
開催日
2020年12月19日(土)

宮城県名取市の名取市民体育館にて開催しました。コロナ禍での開催ということもあり、バドミントン競技が25名、卓球競技が27名と定員に達することはありませんでしたが、コロナウイルス感染症対策としてマスクの着用や、東京都からの主催者挨拶は動画で行うなど、感染症対策を徹底しての開催となりました。
講師には、宮城県内で活動しているヨネックス(株)仙台営業所の柳沼優太氏と仙台大学准教授の馬佳濛氏にご協力いただき、また、アシスタントには仙台大学卓球部・名取市バドミントン協会・名取市卓球協会の方々の他、市内の総合型地域スポーツクラブ2団体に受付業務やコロナ対策業務のご協力をいただきました。
参加者一人一人が間隔を空けながら指導を受けることができており、参加した中学生からは、「基本的なことから専門的なことまで学べた。」「基本的なことでは忘れかけていた部分があり、振り返るきっかけとなってよかった」との声もあり、コロナ禍で大会やイベントの中止が多い中、本事業に参加した中学生たちは、スポーツができる喜びを実感し、笑顔で伸び伸びとプレーしていたように感じました。

〈参考〉
新型コロナウイルス感染症対策等で工夫した点
 ●受付時は体温測定と手指のアルコール消毒、参加確認シートの提出
 ●受付担当者はフェイスシールドの着用
 ●消毒液・ハンドソープ・ペーパータオル等の設置
 ●感染症拡大防止策(マスク着用、3密の回避等)のサインを掲示
 ●各コートや各台にコロナ対策セット(アルコール消毒液・除菌シート・ビニール手袋当)の設置
 ●休憩時間前後に手指消毒の徹底
 ●県内のアスリートに指導を依頼(関係者は県を跨ぐ移動は行わない)
 ●当日の動画による主催者挨拶
 ●クリニック開始前と終了後に備品の消毒
 ●競技以外でのマスク着用徹底
 ●参加者や関係者同士、1M以上距離を取るようアナウンス

○バドミントン

参加者の中学生たちは、トップアスリートとバドミントンができるということで、開始前から笑顔でした。講師の柳沼氏が作成したメニューに沿って実技指導が進められ、模範演技と説明の後に参加者がそれぞれコートに入り、講師とアシスタントが各コートを巡回しながら指導に当たっていました。練習が始まると、柳沼氏のプレーを間近で見学することや積極的に声を掛けアドバイスをもらうなど、終始真剣な表情で参加していました。
 バドミントンのクリニックでは、ドライブ、クリア、スマッシュ、ヘアピンの各基本技術を中心に柳沼氏による講習会が行われました。クリニックでは、ヘアピン練習など各技術において、「飛んできたシャトルにしっかり反応できる視覚能力はあるが、先にしっかり足を動かすなど基本的な技術を最初の段階で身につけて欲しい」など、柳沼氏からデモンストレーションを交えながらの丁寧な指導がありました。スポーツクリニック全体を通して特にそれぞれの技術の基本となるものを重点的に指導されていました。また、チャレンジマッチでは、参加者がクリニックで教わった技術を存分に発揮しようと、講師の方々に全力で挑んで行く姿勢が見受けられました。トップアスリートから1ポイントでも多く点を取ろうと果敢に攻めの姿勢を見せており、講師の柳沼氏と参加した中学生にとって、とても有意義で勉強になるクリニックとなりました。
 最後の質疑応答の時間には参加者からの多くの質問に対して、柳沼氏自身の体験談を交えながら分かりやすく答えられており、一つ一つの話を聞き逃さないよう真剣に聞き入る参加者の姿から今回のクリニックが非常に意義のあるものだと実感しました。

○卓球

基礎的な実技指導から始まり、最終的には試合などで教わった技術を存分に発揮して練習試合に臨んでいました。最初の実技指導では、フォアハンドやバックハンドなどの基礎中の基礎から練習をし、徐々に技術の高いドライブやツッツキなどの応用的な技術を実践していきました。参加者はアスリートや講師に多くの質問をしていたのでとても積極的な行動が多く見られました。
 馬氏の指導では、フォア、バックの基礎打ちやツッツキやとびつき、ドライブなどの高度な技術、さらに、回転をかけたサーブの練習法など様々な指導が行われました。また、正しいフォームや体を回して打つことが大切であることを身につけてもらうため、体勢を低くしたりその場で素振りをしてもらうなど、実際に体で覚えてもらう指導も行われました。サーブではラケットの角度や回転をかける感覚を身につける練習など、細やかな指導が行われました。
参加者から「コロナ禍で目標がなくなってしまうこともある」との声が聞かれましたが、最後に馬氏は現役時代毎日卓球ノートを書いていたことを語り、一日一日の振り返りが重要だとのアドバイスに、この講習会を通じて目標を再設定できた参加者がとても多くいたように感じました。


アスリートコメント

柳沼優太(バトミントン)

Q本日の感想を教えてください
A今年、このコロナ禍でなかなか大会やイベントがない中、子供たちが参加してくれてよかったです。本人たちも目指していた目標がない中で、こういったイベントを通して「新たな目標を作ってみよう」、「ここを目指して頑張ってみよう」といった目標を持ってプレーしてくれたら良いなと思う機会になりました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
Aスポーツメーカーのヨネックスに所属しているのですが、会社としても大会がなかなか行われていない中で、イベントや大会を復活させていこうという活動もしていました。結局、コロナというものは、スポーツやこういったイベントが出来なくなってしまうひとつの原因でもありますし、今後も少しずつ対策しながらスポーツをしていければいいなと思いました。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A私も十年前に福島県にいたので、東日本大震災を経験して、今だからこそあの時は大変だったなと思えますし、当時感じた気持ちを忘れずに負けないぞという気持ちで今後も頑張っていって欲しいなと思いました。

馬佳濛(卓球)

Q本日の感想を教えてください
A参加者の一人一人が明るくて元気だという印象でした。実技講習の部では、各技術について真剣に取り組み、質疑応答の部では、積極的に質問をしてもらいましたので、大変有意義な講習会でした。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A今年はほとんどの公式戦が中止されており、生徒たちも目標を失ったところで、本日のイベントの開催は少しでも刺激を与えられたと思います。今でもコロナの収束が見えませんが、対策を講じながら今後でもこのようなイベントの開催を望みます。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A10年経った今でも東日本大震災のことは昨今のように感じます。その様々な困難を乗り越えたからこそ、今、日々の生活を大切にして、この経験を今後の人生の糧にして成長してほしいと思いました。

参加者コメント

中学2年 男子 バドミントン参加
プロの選手から指導を受けて、レベルの高いプレーを見る貴重な機会になったし、アドバイスもいただいてとてもいい経験になりました。

中学2年 女子 バドミントン参加
プロの人達から教えてもらう機会はとても少ないのでいい経験になったし、基礎の技術を一つ一つ教えてもらい、自分の技術のレベルを向上させるきっかけにもなり、とてもいい体験ができました。

中学2年 男子 バドミントン参加
プレー中に足を動かす等の基本的なことを忘れかけていたので、改めて基本動作を学ぶ貴重な機会になりました。

中学2年 男子 卓球参加
普段の部活では教えてもらえない細かい技術やポイント、練習法など教えて頂けてとても勉強になりました。1人の卓球競技者として多くの方々と交流することが出来ていい機会になりました。

中学2年 女子 卓球参加
苦手だった技術や基本の技術を間違えて理解している部分があり、それを改善することが出来ました。これをきっかけにこれからもっと多くの技術を学べたらいいなと思いました。

中学2年 女子 卓球参加
今までフォアハンドが安定しなかったり回転のかけ方が分からなかったが、アドバイスや指導をしていただき、改善することができました。