事業報告

2021 ビーチフェスタ in 相馬

プロジェクト
令和3年度 パワーアップ・ジャパン from Tokyo
イベント名称
2021 ビーチフェスタ in 相馬
開催日
2021年7月25日(日)

当日は、天候に恵まれ、強い日差しが照りつける快晴。開会式は、聖火リレーセレモニーで結成された地元中高生のダンスユニット「STUDIO BOOST」によるオープニングセレモニーから始まり、活気ある雰囲気での幕開けとなった。その後、あらためて開催を受け入れていただいた会場および地元関係者への感謝の気持ちを込めて、参加者全員でビーチクリーンを行った。
午前中は、オリンピアンである高橋由紀子氏と佐伯美香氏をビーチバレーボールの講師に迎え、普段と異なる砂場という環境での特性を踏まえた内容で講習会を実施した。午後からは、ビーチバレーボールの試合に加え、SUP・水上棒高飛び込み・水上ゴザ走りの体験会が開催され、会場は大いに盛り上がった。

新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、体調チェックシートの提出、開閉会式時のマスク着用、トイレ等への消毒液設置、3密回避の呼びかけや見回りなどを徹底した。今シーズンは、近隣で海開きしている海水浴場は少なく、一般客も多く来場することが予想されたことから、会場となるエリアは限定会場とし、参加者や関係者、市民の安全を確保するように尽力した。
〈参考〉
新型コロナウイルス感染症対策等で工夫した点
 ●消毒液等の設置
 ●感染症拡大防止策(マスク着用、3密の回避等)のサインを掲示
 ●共有する用具の徹底した消毒
 ●試合後には各自速やかに帰宅するようアナウンス
 ●熱中症対策として、コートに放水をするなど暑熱対策を実施
 ●県外からの関係者には、PCR検査の義務付け、陰性証明の提出

○ビーチバレーボール

本事業は、ビーチバレーボールを柱に実施しており、今年で3年目となったことから、保護者や指導者からの知名度も上がり、参加をリピートするチームが増えてきた。参加者の参加動機としては、「中体連後の思い出作り」や「今後の大会で良い結果を残す」などが挙げられ、コロナ禍で制限のある生活の中で様々な目標を掲げ、楽しんでいた。
午前中のクリニックは、オリンピアンである高橋氏、佐伯氏から熱心な指導を受け、貴重な機会となった。参加者の多くはインドア型バレー経験者であった為、砂浜や屋外でバレーをする際のコツや特性を学んだ。また、ビーチバレーはルール上4人制であることから、インドア型バレーとの戦術的な違いについて具体的な説明を受けていた。クリニック後の大会では、学んだことを生かして、優勝を目指して頑張っていた。

○SUP

快晴で波も比較的穏やかであった為、絶好のSUP日和となった。体験会では、始めに、海で安全にSUPを楽しむための基本動作の確認や注意事項に関するレクチャーを砂浜で行った。体験では、サーフボードの上でバランスを取る事の難しさや上手く波を掴めず前に進めないという困難に立ち向かいながら、初めて経験するSUPを仲間とともに楽しむ参加者の姿が多く見られた。

○水上ゴザ走り

大学生が中心となり、体験会を開催した。水上ゴザ走りは「海上に浮かべた全長20メートルのゴザの上を走る」という比較的シンプルな競技で、子供から大人までが楽しめるスポーツであった。参加者は、スピード面だけでなく、海に落ちないようなバランス感覚という二つの事を同時に意識する必要があり、始めは苦戦している人も多く見られた。しかし、失敗を恐れず挑戦し続ける事で、ゴザの上を上手く走るコツを少しずつ掴み、最終的は殆どの参加者がゴールまで到達する喜びを実感していた。

○水上棒高飛び込み

棒高跳びを専門とする陸上競技部の学生が主体となり、体験会を行った。ポールに上手く力を伝え、高く跳びあがる為には、体の細かな動作や体勢を調整し、大きな「弾性エネルギー」を作る必要性があった。始めは、参加者の多くが「海にダイブする」という慣れない動作を怖がっている印象だったが、体験を重ねる度に、競技自体の魅力に惹かれ、仲間同士で賑やかに楽しんでいる印象だった。


アスリートコメント

高橋有紀子(ビーチバレーボール)

Q本日の感想を教えてください
A中学生の元気がとても良く、ビーチバレーを楽しそうにやってくれていてとても嬉しかった。講習会の最後に大人とゲームしている中学生の姿がすごく楽しそうで、私も幸せで母親的な気持ちにもなりました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A実際に被災地に足を運んだのが今回で2回目ですが、前回は岩手に行って震災の後に被災した方々に元気になってもらおうと、バレーボール教室を行いました。やはり震災は大変なことだと思うので、バレーやビーチバレーを通して力になれることがあるのなら、元気になってもらうためにこれからも積極的に行動していきたいなと思っています。また機会があったらぜひ呼んで欲しいです。
Qコロナ禍、アフターコロナの中でどのような活動をしていきたいですか?
A去年は新型コロナウイルス感染症の影響で、自分自身もママさんバレーボール教室の指導やビーチバレーのコーチングなどの仕事が全くできなくなった時期があって、本当に辛くなり、その時にスポーツの力をとても感じました。実際その期間を終えてバレーボール教室やビーチバレーボール教室を再開した時に、スポーツの良さを再確認することができました。コロナ禍は制限が多くとても大変で嫌な気持ちになることもありましたが、それが逆に自分の力にもなっていました。これから先、いつまでこのような状況が続くかはわからないけれど、周りの方々が元気に楽しく過ごしていけるように、スポーツを通して表現いていきたいなと思っています。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A中学生の皆さんは、バレーボールの部活動も一生懸命に行っているうえに、このようなイベントに参加することで、ビーチバレーボールやSUP、他の競技など様々な経験をすることができると思います。この経験を通していろいろなものが見えてくると思うので、これからもたくさん新しい体験をしていって欲しいなと思います。被災地の方々は、これまで本当に辛くて大変な時期を乗り越えてこられたと思いますが、まだ完全に復興というところまでは至っていないと思います。そこで自分に何かできることがあるならどんどんやっていきたいです。お互いに頑張りましょう。

佐伯美香(ビーチバレーボール)

Q本日の感想を教えてください
A今回のイベントに参加している中学生たちはとても元気で、楽しそうに体を動かしているので良かったなと思いました。ビーチバレーの環境がすごく良くて羨ましいです。常設コートやボールが飛んで行ってしまわないような柵があり、とても環境に恵まれているなと感じました。
Qアフターコロナを踏まえた、今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
Aこれまでは、「夢の教室」の「夢先生」という活動に参加させてもらっており、学校に行って教室での座学や体育館で体を動かすことを通して、夢を持つことの大切さを伝えてきました。しかし、東京オリンピック・パラリンピックや新型コロナウイルス感染症の影響で現在はなくなってしまいました。地元が愛媛県で今もそこに住んでいるため、なかなか東北の被災地に足を運ぶ機会がなかったのですが、今回福島県に来てみて震災直後ではないけれど復興を目の当たりにし、大変だなと感じました。その中で自分たちにできることは何かと考えたときに、スポーツを通して体を動かすことの楽しさを伝えることができたらいいなと思いました。これからもこのような機会があればぜひ参加していきたいです。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
Aここ福島県の相馬の海には、ビーチバレーの施設やきれいな海という素晴らしい環境があるので、ビーチバレーやビーチサッカー、ビーチテニスのような様々なビーチスポーツをもっと楽しんで欲しいです。海の潮風に当たることで心が癒されるというメリットもあるかと思います。これからも海のスポーツに親しみ、元気に頑張ってほしいなと思います。

白𡈽博子(SUP)

Q本日の感想を教えてください
Aビーチフェスタに関わって3年目になりますが、毎年とても天気が良くて、運のあるイベントだなと感じます。参加者の皆さんも、運営側も活気にあふれていて素晴らしいイベントだと思います。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A私たち自身が被災して、名取市を拠点に活動しているのですが、富岡町への思いも強く、昨年の春に富岡町にも新しいクラブハウスを立ち上げました。多くの方々が交流の機会を作ることができるようにという思いでこれからも活動していきたいと考えています。
Qコロナ禍、アフターコロナの中でどのような活動をしていきたいですか?
Aコロナ禍ではワクチン接種等できる限りの予防策を講じながら参加者も運営側も安心して交流していける状態にしたうえで、イベントなどを立ち上げていきたいと考えています。今現在は、今年の9月から10月にかけて田沢湖で東北初の「SUP駅伝」というイベントを企画しています。そういったイベントを通して、ソーシャルディスタンスを保ちながら広い場所で、大勢で楽しむことのできるSUPの良さを多くの人に知ってもらいたいと考えています。また、身体を動かすことによって代謝が上がり抵抗力も増します。多くの方々の健康増進に向けて、SUPをライフワークに取り入れていってもらえるような働きかけをしていきたいです。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A私たちも被災した当時は、明日のことも考えられない程気持ちが落ち、会社経営等の面で様々な辛い経験をしてきました。その経験を経て、今の時代、私は何かあっても対応していくことのできる多様性と順応性を養う必要があると考えています。その前提として心の健康が何より大切だと考えているので、多くの皆さんに外に出て太陽を浴びるということをお勧めしていきたいです。

その他参加SUP講師

白𡈽 栄一(SUP)日本スタンドアップパドルボード協会 理事 兼 東北ブロック長

経歴SUP歴 12 年
戦歴2018年3月 横濱SUPマラソン 22km /4月 TRUMP Paddle Session 12km
2021年4月、6月 津久井浜SUPerマラソン

高山 謙一(SUP)

経歴SUP歴 8 年
SUPA公認ベーシックインストラクター
戦歴2017年9月 SUOらいずin七ヶ浜 3kmDistance男子優勝

飯塚 美智(SUP)

経歴SUP歴 7 年
SUPA公認ベーシックインストラクター
JTU行員審判員第二種
トライアスロン歴24年
戦歴2018年9月 矢の目ダムカップ1kmハードボードクラス女子優勝

高山 宏子(SUP)

経歴SUP歴 7 年

長沢 裕子(SUP)

戦歴2021年4月、6月 津久井浜SUPerマラソン10km
12.6ft.ハードボード女子クラス 準優勝

参加者コメント

中学2年 男子(ビーチバレーボール参加)
普段はバレーボールの合同チームとして大会に参加しているメンバーで参加しました。全員学校が違うけど、今までより仲が深まった気がします。ビーチバレーは難しかったですが、講習会に参加してとても練習になったし、楽しかったです。

中学2年 女子(ビーチバレーボール参加)
今年は2回目の参加でした。暑くて足の裏がやけどするかのようにとても熱かったです。講習会がとても分かりやすかったので、教わったことを試合で活かすことができて嬉しかったです。

中学3年 女子(ビーチバレーボール参加)
去年も参加していて、今年も中体連以外にもバレーボールを楽しむことができてこのイベントはとても気に入っています。砂浜の上で足を動かすのが大変だから、積極的に前に出ようという作戦を立てて試合に臨みました。また、このような機会があれば参加したいです。

中学1年 男子(水上ゴザ走り参加)
最後まで走り切ることができなくて悔しかったです。また来年も、もしこの企画があれば作戦を考えてまた参加したいです。

中学2年 女子(水上ゴザ走り参加)
最後まで走り切ることができました。とても楽しかったです。途中、止まりそうになってしまいましたが、諦めずに走り続けたことがゴールできた理由だと思います。ビーチバレーでは負けてしまったけど、とても楽しくて良い思い出になりました。

中学3年 男子(水上ゴザ走り参加)
なかなかゴールすることができず、何回も走りました。何度走っても海に落ちてしまいましたが、海に落ちてしまうのもまた楽しかったです。最後の方にはコツをつかむことができた気がします。

中学1年 女子(SUP参加)
ビーチバレーに参加したチームのみんなで体験してみました。これまでは先輩に対し、少し気を遣うことが多かったけど、息を合わせて一緒に声をかけあいながらSUPに参加することで今までより親しくなれました。学校に戻ってもまたチームのみんなで部活を頑張りたいです。

中学2年 男子(SUP参加)
ビーチバレーで負けてしまったので参加してみました。漕いだら漕いだ分だけ進む感覚がおもしろかったです。漕ぐのが少し重かったため、バランスをとるのが難しかったです。友達がふざけて揺らすので海に落ちてしまいました。また来年も機会があったら参加したいです。

中学3年 女子(水上棒高跳び参加)
毎年3年生しかこのイベントに参加できないと部活の顧問の先生から言われているため、参加するのをずっと楽しみにしていました。自分たちが参加できる年に、このような楽しいイベントがあって運が良かったなと思っています。いろいろな企画を考えてくれてありがとうございます。

中学1年 女子(水上棒高跳び参加)
最初は海に落ちるのが少し怖かったけど、大学生がお手本を見せてくれたり優しく教えてくれたりしてくれたので、勇気を出して飛び込むことができました。

中学3年 男子(水上棒高跳び参加)
ビーチバレー大会で同じ部活のもう1つのチームが勝ち上がっている中、自分のチームは負けてしまった為、とても悔しかったのですが、逆に負けた事で、水上棒高跳に参加できて悔しさを吹っ飛ばしました。海にダイブするのが楽しくて何度も飛び込みました。