事業報告

エコノミークラス症候群対策事業 in 岩手

プロジェクト
パワーアップ・ジャパン from Tokyo
イベント名称
エコノミークラス症候群対策事業 in 岩手
被災地支援健康体操教室「歩く人。」 ウォーキング教室
開催日
2019年2月21日(木)、22日(金)

平成30年度パワーアップジャパンfrom Tokyoエコノミークラス症候群対策事業の第3弾が、岩手県の久慈市民体育館、洋野町種市体育館の2会場にて2日間にわたり開催されました。一般社団法人OVAL HEART JAPANの大西一平氏、ダイナミックスポーツ医学研究所の土井龍雄氏、大阪産業大学の佐藤真治氏の3名を講師として迎え、久慈市及び洋野町に在住の方を対象に、正しい歩き方を学ぶウォーキング教室「歩く人。」が実施されました。
 開始前に、参加者一人ひとりに対して歩き方の測定を行い、普段の歩き方によって受ける衝撃の大きさを、数値化されたスコアシートで各自確認しました。プログラムでは、歩くためには筋力と柔軟性が必要であることが伝えられ、筋力トレーニングやストレッチが紹介されました。講師間の掛け合いや参加者への投げかけなど双方向型のコミュニケーションに基づく講義が行われました。筋力トレーニングやストレッチを実践している際には、参加者同士で声を掛け合いながら笑顔で取り組む様子も見られ、和やかな雰囲気で教室は進められました。動画を用いたトレーニングでは、映像にあわせて参加者全員が声を出しながら実践し、より大きな盛り上がりを見せていました。
 本イベントでは、「歩くこと」について専門的な知識や講師のこれまでの経験を交えて解説されており、参加者は自身の歩き方や健康について見直す良いきっかけとなりました。

【1日目:久慈市民体育館の様子】

【2日目:洋野町種市体育館の様子】


アスリートコメント

大西一平(一般社団法人OVAL HEART JAPAN 代表)

Q本日の感想を教えてください
A今回は思っていたより参加者数が多かったというのと、元気で活発な健康志向が高い方々が集まっていたような気がします。震災からある程度時間が経った今、大きな被災を経験した方々が、健康について意識を高めていこうという気持ちや雰囲気が伝わってきますし、そういった活気を強く感じました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A「歩く人。」のプログラムに関しては、一般の方々に自分たちで積極的に取り組んでいただきたいプログラムなので、今回はイベントとして講習形式でやりましたけど、歩くことや体操をやるリーダーを積極的に育成していきたいと考えています。行政の方々もこの考えに対してポジティブにとらえていただけているので、このイベントを皮切りに根強くプログラムの落とし込みをしていけたらと思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A支援はいずれ終わると思うので、やはり最後は自力で復興していかないといけないです。自分たちの力、足で復興・創生を遂げていただきたいと思います。地元の人たちの動きが一番大事なところで、それに対して何をすることが支援になるのか考えると、これから支援の形態が少し変わってくるかもしれないので、今後しっかりコミュニケーションをとっていけるような関係づくりをしていかないといけないと思っています。

土井龍雄(医療法人 貴島会ダイナミックスポーツ医学研究所副所長)

Q本日の感想を教えてください
Aこのイベントも回を重ねてきているので、こちらとしてはどう普及させていくかということを考えているんですが、拡げていくためには、継続してもらわなきゃいけないのと、継続を促す音頭をとってくれるようなリーダーが育っていかないといけないので、その体制をこれから各地域でどれだけ構築していけるかだと思っています。今回はそこまで実施することはできなかったので、次回以降はそういう取り組みもできたら良いなと感じました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A被災地域はたしかに他の地域と比較して要介護率が高かったりしますけど、だんだんと平常値に戻ってきてはいますし、被災地だからという特別なことではなくて全国的な介護予防に向けた活動の中の一部として、被災地での活動に取り組んでいきたいです。僕らは歩行寿命を延ばすということを目的にしているので、それをもっと定着させていけるように活動していきたいです。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A元気に歩き続けてもらいたいです。

佐藤真治(大阪産業大学スポーツ健康学部 教授)

Q本日の感想を教えてください
A震災から8年経ちました。今日皆さんとお会いして、復興支援していくということはもちろんですが、超高齢化と人口減少という課題も顕在化してきていると感じました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A人口減少が進む地域では、人のつながりをつくって、元気な人が少し立場が弱い人を支えていけるようなしくみをつくっていかないといけないと思っています。要はおせっかいな人をどれだけ地域の中に増やせるのかが、これから地域が残っていくための新しい条件になってくる気がします。これからも「歩く人。」でそういうおせっかいな人をつくっていけたら良いなと思っています。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A被災地の皆さん、これからも元気でいてください。元気に歩き続けてください。

参加者コメント

60代 女性
姿勢が良いと言われることもあったし、歩き方には自信があったんですけど、点数が低くて驚きました。力の入れ方などいろいろ勉強になることが多くて、良いきっかけになりました。

60代 女性
教わった歩き方をすぐに実践することは難しかったですが、今日のプログラムで土井さんから教わったことを、これから頑張って継続していきたいと思います。

60代  男性
ちょうど週末に古希を迎えるので、今日のプログラムを通して教わったことを記念として、これからも元気に歩いていけるように頑張っていきたいと強く思いました。

70代 女性
筋力トレーニングの後にストレッチをするなど基本的な流れは分かっていても、やはり毎日やらないと覚えられないし習慣化できないので、今日をきっかけに今後も継続してやっていきたいと思いました。普段骨盤のゆがみなどで通院していますが、今日教わったことは新しいやり方だったので、とても参考になりました。