事業報告

スポーツフェスタ in 面瀬

プロジェクト
令和元年度 パワーアップ・ジャパン from Tokyo
イベント名称
スポーツフェスタin面瀬
開催日
2019年10月27日(日)

令和元年度パワーアップジャパン from Tokyo 被災地復興支援事業の第5弾として開催されたスポーツフェスタin面瀬では、会場となった面瀬中学校の先生方や外部指導員の方々も参加いただきました。参加者はアスリートの指導に傾注し、アスリートが行う動きの見本やパフォーマンスに驚きつつも、自分でも試してみる、練習するという姿勢が見られ、アスリートによるクリニックは充実した様子でした。

○野球

主力選手が試合のため参加できず、7人という少人数形式で野球のクリニックは開催されました。元プロ野球選手である中根氏は、「キャッチボールや守備、バッティング、そしてベースランニング等、基礎の技術や正しい身体の使い方を早い時期から身につけて欲しい」という狙いの下、参加者たちへの指導を行いました。中根氏は、密に参加者とのコミュニケーションを図り、参加者たちのやる気を引き出すような声かけが目立ちました。また、良かった点や改善点を参加者一人ひとりにアドバイスし、それに応えるようなかたちで積極的に練習に励む参加者たちの姿が見受けられました。終始活気のある雰囲気の中、参加者たちは充実した表情で練習を終えました。

○ソフトテニス

塩田氏によるソフトテニスのクリニックは、基礎練習を中心に行われ、冒頭ではフットワークの重要性や正しいボールの打ち方などの説明が行われました。特に近年は、ラケットの性能が良くなっているために下半身を使ってボールを打つという基本動作をおろそかにしてしまう子どもたちが多いと指摘されていました。サイドステップやボールに対しての入り方、軸足の使い方等、実演を交えた細やかで丁寧な指導に対して真剣に耳を傾ける参加者の姿が多く見られました。最後に塩田氏から「基本をおろそかにせず良いクセを身に付けていってほしい」という激励の言葉でクリニックを締めくくりました。

○バスケットボール

男子と女子で分けて始まったバスケットボールでは、どちらにも共通してコミュニケーションをとることに重点をおいて指導がされました。コラン氏は普段の部活動で行っている練習を取り入れながら、パス出しする距離であったり、動き出しのタイミングなど今後も意識してほしい要点を伝え、きめ細かな指導をしていました。基本のドリブル練習からシュート練習、チームプレーといった技術まで時間を目一杯に使って生徒と練習している姿が見受けられました。

○卓球

松下氏からは、目標をもってその目標を達成する準備や心構えを持つことが何事においても大事だと冒頭に説明し、参加者の生徒のやる気を高めたうえで練習が行われました。主にサービスとドライブの打ち方を練習し、ホワイトボードに図示して分かりやすい指導がなされていました。コースに打ち分けられるようになることが勝利する要素ということで、卓球台の隅に置いた紙コップを的にした的当てが行われ、松下氏の手本では、コーナーに置かれた的を連続で当てる技術の高さが披露され、参加者からは歓声が上がりました。参加者も的を狙ってコースに打ち分ける練習をしていましたが、なかなか的に当たらず苦戦したり、当たったときに喜びの声が響いたりしていました。

○バレーボール

齋藤氏によるバレーボールのクリニックはウォーミングアップから始まりました。生徒主体で普段の部活動で行っている動きを実施させ、身体の使い方や意識するポイントはどこか適宜指導が行われました。顧問の先生から「どのような練習をすればよいか分からないため教えて欲しい」というリクエストがありましたが、斎藤氏は「自分自身の身体を思い通りに動かせるようになってほしい」と回答し、その後、サーブやレシーブの練習に取り組みました。柳本理事長にも指導に入ってもらい、オリジナルの練習メニューに取り組ませる一面もありました。最後は齋藤氏のスパイクをレシーブする練習を30分以上かけて行いました。参加者はアスリートのスパイクに最初は驚きながらも、しっかりとボールを見てレシーブすることが出来ていました。


アスリートコメント

中根仁(野球)

Q本日の感想を教えてください
A参加者が中学生ということもあってちょうど思春期の時期だと思いますが、みなさん素直で良い子ばかりで驚きました。その中で基本練習がメインだったのですが、何とか技術をものにしようという姿勢に感銘を受けましたし、非常に教え甲斐がありました。私自身とても楽しめましたし、子どもたちも楽しかったと思ってくれていたら幸いです。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
Aこのような被災地でのイベントには声がかれば毎回参加するようにしています。私も宮城県出身ということもあり、いろんな思いがあります。その中で今後は今の子どもたちがこうした地域を引っ張っていく存在になってほしいと思っています。そういった思いを伝えていけるように今後も携わっていけたらなと考えております。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A今日は様々なスポーツの講師が来られましたが、教えてもらって終わりではなく友達や家族などにも共有していただいて、交流の輪を広げていってもらいたいですし、それで地域が元気になれば私自身も非常に嬉しく思います。

塩田顕(ソフトテニス)

Q本日の感想を教えてください
A自分が思っていたよりもすごく生徒たちの反応が良かったので、もっと教えてあげたいという気持ちにさせてもらいました。2時間という限られた時間の中で全て伝えることは難しかったので少し心残りではありますが、また機会があればこういった事業に参加していきたいと考えています。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A私自身が被災経験をしたことがないということもあって、被災者の方々の気持ちであったり考えという部分に共感することはなかなか難しいことです。「ソフトテニス」というマイナーなスポーツではありますが、こうしたスポーツを通して被災地の子どもたちに元気や勇気、夢を与えられることは素晴らしいことだと思うので、こうした活動がもっと増えていってほしいです。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
Aソフトテニスはとてもマイナーなスポーツですが、今年プロ選手も誕生したので私自身もこれからどんどんソフトテニス界を盛り上げていきたいと考えています。今回参加されたみなさんもソフトテニスを継続して、レベルアップして宮城県からプロ選手が出ることを期待しているので一緒に頑張っていきましょう。

コラン陽介(バスケットボール)

Q本日の感想を教えてください
A参加してくれた中学1、2年生が本当に素直な子たちで、普通のレイアップシュートを見せただけでも「すごい!格好いい!」と感動してくれて、やりがいを感じました。ほとんど初心者の方だったので基礎をベースにして練習に取り組みました。挑戦意欲と積極性をもっている子たちでしたので、指導をしていて楽しかったです。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
Aこれまではメディア等で被災地の様子は伺っていましたが、現地に訪れる機会はありませんでした。今回の事業で実際に足を運んで現地の方々と触れ合うことが出来て貴重な経験になりました。これからもっとスポーツによって地域に活気が溢れたらいいなと感じます。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A気仙沼市の学校の中でも面瀬中学校はバスケ部員の多い学校と聞いております。今回練習したことを活かしてもっと気仙沼市の中でもっと強くなって中学バスケのレベルを引き上げてくれたらいいなと思います。

松下雄二(卓球)

Q本日の感想を教えてください
A今回初めての参加でしたが、参加した中学生が真剣に練習に取り組んでくれて良かったです。指導の最初に伝えた目標をもって達成するための準備、心構えを持って臨むということを、参加者たちが実践していたので良かったです。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A恥ずかしながら被災地の支援事業は今回が初めてで、東日本大震災が起きてからすでに8年が経過していますが、事業に参加する機会がありませんでした。私にとっても非常に意義のある経験でした。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A自分の好きなことを探して一生懸命になってほしいです。困難を避けて通る人間ではなくて色々なことに挑戦して将来への準備をしていってほしいです。

齋藤信治(バレーボール)

Q本日の感想を教えてください
Aはじめのうちは面瀬の生徒が内気で自分らしさを出していない印象でしたが、バレーボールを通して触れ合っていく中で、少しずつ心を開いてくれたのか、声が大きく出ていて盛り上がりのある練習ができたと思います。素直な生徒さんが多かったので、アドバイスしたことをしっかり吸収してこれからにつなげていって欲しいと思います。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A2011年の震災以降、これまで様々な事業に携わらせて頂きましたが、いろんな方たちが、様々な形でスポーツで笑顔にさせたり、力を与えてきたと思います。私も積極的に参加して8年が経過しました。今の小学生や中学生は2011年の当時の震災を知らない子たちがいると思います。普通の生活に戻っているかもしれませんが、実際に訪れてみると復旧が終わっていない場所等も散見されます。そういう意味では100%の復興がまだなのかと感じます。また最近の台風や天災等による被害も受けた方がいると聞いております。そのような方々のためにも、現地に来て一緒に触れ合いたいと思っております。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
Aバレーボールを通じて共通のお話をさせていただきましたが、1日でも長くバレーボールを続ける、バレーボールではなくてもいろんなスポーツに挑戦して夢を持ってほしいと思います。

参加者コメント

中学2年 男子 野球参加
元プロ野球選手の方が来てくれてとても嬉しかったです。たくさん質問もできて細かい技術なども教えてもらえていつもの練習とは違う学びがありました。新人戦では準優勝という結果で非常に悔しい思いをしたので中総体では結果が残せるように今日もらったアドバイスを活かして練習していきたいです。

中学2年 男子 野球参加
中根さんは元プロ野球選手ということで体格や技術など遥かに僕たちより上ですごいなと思いました。今日は基礎練習がメインでしたが、基礎練習がどれだけ重要か思い知らされました。

中学2年 男子 ソフトテニス参加
塩田さんには基本的な技術を細かくわかりやすく教えていただきました。特にフォアハンドの体重移動などは今後の練習に取り入れていきたいと思います。

中学2年 女子 ソフトテニス参加
前から自分の課題であったボールに対しての入り方を丁寧に教えていただいて、短い時間の中で改善できて良かったし、塩田さんにはとても感謝しています。来年の中総体では個人・団体ともに優勝を目指しているので課題を克服して今よりも上手になりたいです。

中学2年 男子 バスケットボール参加
たくさんの指導をしていただきましたが、3対3のオフェンスやディフェンスの指導は勉強になりました。大会では今日教えてもらったことを実践して優勝したいと思います。

中学2年 女子 バスケットボール参加
プロの人に教えてもらうことができて普段の練習がさらにレベルアップしたと思います。実践で使えるプレーも教えてもらったので大会で通用するか楽しみです。

中学2年 女子 卓球参加
プロと触れ合ってすごく楽しかったしいい経験になったので良かったです。サーブの狙い方とか目標を立てて達成する心構えとかを大切にしていきたいです。

中学2年 男子 卓球参加
長年競技を続けている方からご指導をいただけて勉強になりました。夢に向かうためには目標を持つこと、目標を達成していく積み重ねが大事だと学んだので、これからその気持ちを持っていきたいです。

中学2年 女子 バレーボール参加
柳本元監督の「できないのではなくてやろうとしていない」という言葉が印象的で、私たちもできないと思っていてそのままにしていることがあって、それがプレー面で出てくることがあったので、これからの練習ではできないからやらないのではなくて、やって失敗していくという気持ちでプレーしていきたいです。

中学2年 男子 バレーボール参加
アスリートの方と一緒に練習出来て、いい機会でしたし勉強になりました。レシーブやオーバーハンドパスといったコツを教えてもらって良い練習になりました。