事業報告

いわて・みやぎ・ふくしま三県合同サッカーフェスティバル in Jヴィレッジ

プロジェクト
令和元年度 パワーアップ・ジャパン from Tokyo
イベント名称
いわて・みやぎ・ふくしま三県合同サッカーフェスティバル in Jヴィレッジ
開催日
2019年11月9日(土)・10日(日)

令和元年度パワーアップジャパン from Tokyo 被災地復興支援事業の第6弾として、福島県双葉郡楢葉町のJヴィレッジにて、いわて・みやぎ・ふくしま3県合同サッカーフェスティバルが行われました。今年で9年目となる本事業で二度目の3県合同による開催となり、岩手県、宮城県、福島県から総勢101名の中学生が集結しました。晴天に恵まれた本イベントには、元Jリーガーの平瀬智行氏、吉田匡良氏、土橋宏由樹氏の3名を講師として迎え、1日目はサッカークリニック、教育プログラム「復興五輪」、交流会(チームビルディング)、2日目は3県合同チームによる交流試合が行われました。開会式では、二日間という非常に限られた時間の中で、このような貴重な機会を有意義かつ楽しく過ごしてほしいという趣旨の言葉が参加者に向けて贈られました。1日目のサッカークリニックでは、3名のアスリートそれぞれから参加者に対して基礎的な技術(パス・クロスボール・シュート)の指導がなされました。クリニック終了後には、教育プログラム「復興五輪」と題してJヴィレッジのスタッフの方から施設の軌跡についての講話とアスリートと参加者を交えてのパネルディスカッションが行われました。その後、3県合同チームに分かれての交流会が行われ、翌日の交流試合に向けたチームビルディングが行われました。2日目の交流試合では、3県からの参加者をミックスさせ、8チームに分かれての交流試合が行われ、大盛況でイベントは幕を閉じました。

○クリニックの様子

1日目のサッカークリニックでは、ウォーミングアップを終えた後、平瀬氏、吉田氏、土橋氏のそれぞれから基礎的な技術の指導がなされました。パス練習では、二人一組に分かれ、インサイドキック、インステップキックを中心に速くて正確なキックの技術が実演を交えて参加者に伝えられました。パス練習を一つとってもただ何となくボールを蹴るのと、一つ一つのキックやトラップの正確さを意識して取り組むのとでは、上達に大きく差が出ること、そしてプロの選手はそういった姿勢で日々のトレーニングに取り組んでいることが伝えられ、参加者たちも、より一層真剣にプレーする姿が見受けられました。シュート練習では、ゴールライン上にコーンが設置され、両端のコースへ正確にボールをシュートすること、「ゴールにパスをするようなイメージで蹴る」といった意識面の指導もありました。サイドからのクロスボールによるシュートの練習では、ゴール前への入り方、特に動き出しのタイミング等の指導がなされました。ディフェンダーのマークの外し方やクロスボールに対してのアプローチの仕方など、フォワード出身の平瀬氏から丁寧な解説がありました。

○「復興五輪」教育の様子

「復興五輪」教育では、参加者の代表として6名の中学生が登壇し、住んでいる町の様子や自身の復興について発表しました。また、アスリートである平瀬氏、吉田氏、土橋氏に加えて、日本アスリート会議の理事長である柳本氏にもご登壇いただき、震災当時の状況からこれまで行ってきた活動についてお話いただきました。Jヴィレッジは聖火リレーのスタート地点でもあることから、来年に控える東京オリンピック・パラリンピックに向けて改めてスポーツで盛り上がっていこうと締めくくりました。

○交流試合の様子

2日目の交流試合では、3県合同チームの8チーム分かれて総当たりで試合が行われました。お互い初見の参加者同士による即席チームということもあり、最初は若干緊張した様子も見られましたが、試合を重ねるごとにチームワークが高まり、積極的にコミュニケーションをとる様子も見受けられました。また、前日3名の講師から習った技術を実践する参加者の姿勢も目立ち、非常に有意義な二日間のプログラムとなりました。


アスリートコメント

平瀬智行

Q本日の感想を教えてください
A1日目よりも2日目の方がみんなも慣れてきて積極的にプレーしていたので非常に良い傾向にあるのかなと思いますし、こういった交流は参加した子どもたちにとっても非常に良い経験になったのではないかなと思います。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
Aパワーアップジャパンの事業は素晴らしい活動だと思いますし、サッカーだけでなくて他の競技であったり運動会であったりとか、復興に向けてみんなで頑張っていこうという姿勢が非常に強く見られる企画だと思いますので今後も継続していってほしいなと思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A何事も一生懸命最後までやり通す力というものを身に付けてもらいたいと思います。

吉田匡良

Q本日の感想を教えてください
A一言で言うと楽しかったです。J ヴィレッジの地に三県の中学生が集まって、交流したり、ディスカッションを重ねながら、サッカーだけではなく、何か新しいものを感じたり、絆みたいなものが生まれてきたりしたのではないかなと感じます。サッカーの指導では意識を持って取り組むことを伝え、目標を持って意識しながら練習すれば誰でも上手くなれることを伝えられたと思います。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
Aこれまでも岩手県や宮城県の小学校でサッカー指導したりスポーツの力を使って子ども達を笑顔にするという活動は行ってきました。サッカーだけじゃなく、色んなスポーツで良いと思うので、これからも引き続き、足を運んで活動を続けていきたいと思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A中学生のこの時期は思春期で、何か言われると面倒だなとか、嫌だなという気持ちが芽生えると思いますが、大人になった時に通用しなくなるので、この時期から自分自身をコントロールする力を育てる必要があると思います。サッカーにも共通する部分があって、自分が主役なんだと自信を持って積極的に考える意識とかを持つことで成長できると思います。普段の生活でも面倒なことがあると思いますが、自信をもって自分をアピールするくらいの意識を持ってやってほしいです。

土橋宏由樹

Q本日の感想を教えてください
Aイベント自体でいうと三県合同ということで非常に面白いなと思いました。やはりサッカーは一人ではできないですし、知らない人にでもボールで自分を表現することができるのもサッカーの魅力なので、1日目の夜のチームビルディングでもそうでしたが、その中で子どもたちが積極的に他の県の友達ともコミュニケーションをとっていたので非常に有意義な時間だったのかなと思います。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
Aこれまでに何度かこういった事業にはJリーグの活動で行かせてもらっています。今回の台風被害で自分が住んでいる長野も河川の氾濫で被災しているという状況の中で、改めて人のあたたかさ、人の繋がり、スポーツの力というものを非常に感じています。いろんな方々に助けていただいて今があって、サッカーをプレーする環境、指導できる環境があることに大変感謝しています。今後もサッカーを通じて一人でも多くの人たちに夢や希望、感動を与えられるような活動をしていきたいと考えています。その一つとして、今回のように自分たちが経験してきたものを子どもたちに落とし込んで技術を習得してもらいたいですし、老若男女問わずサッカーの魅力を伝えていけたらなと思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A 「諦めない心」というものをいろんな子どもたちに伝えています。やはり一つのことを続けていくと良い事ばかりではないので、大変なことがあった時にも「諦めない心」というのを念頭において、今みんなが頑張っているサッカーを好きで続けていってもらえたらなと思います。

参加者コメント

中学2年 男子
3県合同開催ということで、他校の人達と触れ合って、交流しながらサッカーを出来たので良かったです。元Jリーガー達の貴重な指導を受けられたので、これからはパスとか意識して練習していきたいです。

中学1年 女子
このプログラムでは基礎から意識して取り組んでいて、基礎が大事なんだと改めて知りました。2日目の試合では、いろんな人と交流しながらできたので、新しい人達とサッカーする楽しさを学べました。今後は色んな人とプレーできるようにコミュニケーションを大切にしていきたいです。

中学3年 男子
1日目は基礎練習だったんですけど自分の苦手な部分が見えてきて、それを2日目に少し改善できたことが良かったと思います。今回実際に元Jリーガーの方々のプレーを見て上手いのは当然なんですけど何よりミスが少ないなという印象があって自分も基礎をしっかりさせてミスの少ない選手になれたらなと考えています。

中学2年 男子
これまでは今回のように他県の同年代と関わることがなかったので、自分にとってもみんなにとっても良い経験になったんじゃないかなと思います。今回の経験を活かして今後、高校や大学に行った時にも自分から積極的にコミュニケーションをとっていきたいと思います。

中学1年 男子
アスリートの人達からたくさん学べました。基礎の練習や声をかけ合うコミュニケーションの大切さを学びました。試合でも学んだことを活かして自分の力にしたいと思います。

中学1年 男子
たくさんの友達ができました。サッカーではパスやボールコントロールを学んだので練習していきたいです。

中学1年 男子
普段は交流がない他県の人たちとサッカーをするということで最初は緊張していたんですけど、サッカーのプレーを通じてお互い分かり合えたことが良かったかなと思います。

中学1年 男子
僕はインステップキックが苦手なので、元Jリーガーの方にキックの仕方を教えてもらえて良かったです。僕自身サッカー選手になるという夢はないんですけど、自分の目の前にある目標を一つ一つこなしていければなと思います。